N K流

賭場がある場所に名酒場あり




先人の教えの書にはこう綴ってあります



埼玉県は西川口駅


駅を挟んで


東に降りても


西に降りても


左右対称に同じ様な賑わい




東口を降りて


すぐその看板が目に飛び込んでくる


立ち飲み焼き鳥屋さん




外から見える山積みになった焼き鳥を


テイクアウトも可能




それを焼いてくれる焼き場の


お嬢さんは



おそらくタイ人か



リトルアジア西川口全開



入り口の近いところで一杯



そのほとんどが一本100円と激安


朝の埼京線の車内に近い


混み具合がうなづけます





隣で漫画を読みながら


焼き鳥を頬張るご主人



どうやら



ちばあきお先生の


キャプテンを読んでいる様子





中合わせの後ろのご主人二人組



下ネタトークに花が咲いています




「よう、お前のポークビッツ今日も元気か?」



「ふざけるな!日本ハムに謝れ!」




ご主人


ポークビッツ伊藤ハムです






突然慌てふためくタイ人のお嬢さん



どうやら小銭を落として



それが後ろの冷蔵庫の下に


潜り込んだ模様




「〇〇ちゃん、しょうがないな、、」



突然


ちばあきお漫画を読んでいたご主人が



カウンターの中へ入り



両手両膝をつき


冷蔵庫の下をまさぐりはじめる




お嬢さんも


一瞬申し訳なさそうな顔を見せるが


持ち場へすぐ戻る





懸命に冷蔵庫下の捜索を行う


ご主人



きっとこのご主人



このタイ人のお嬢さんに


恋をしているのだろう





もはや探していることを



気にかけず


頼まれた串を焼き続ける


タイ人のお嬢さん





放り出された

ちばあきお先生のキャプテン



そのご主人の食いかけのレバー





次々と入店してくる


中国人学生の群れ




オートレースの予想を熱く語る


好々爺の群れ




空には今日もフンを落としに来た


渡鳥の群れ





「あったー!!」


西川口の駅前で愛を叫ぶご主人




ようやく見つけた小銭を


タイ人のお嬢さんに渡すご主人




「違うよ、10円じゃないよ、100円だよ」



また捜索に入るご主人





先生、西川口は今日も皆全力です。




次回、京浜東北ゴールデンライン3駅目



蕨駅をご紹介します。