正念場

前回




ダルマの制作依頼をした件ですが




ようやく白衣観音様下まで

引き取りに伺えました











高崎白衣観音のふもと



土産物屋、兼駐車場の店員






「駐車料金と別で観音様の拝観料が500円になります」





「結構です。観音様の中には入りません」











こいつ



ここまで来て



白衣観音様の中に収まらないとは





うつけ者か?







明らかにそんな訝しげな顔をしている



土産物や店員をかわし




足早に画伯のいる小屋へ






「お待ちしてましたよ。私テレビ持ってないもんで、阪神は首位ですか?」





さすが画伯




俗世間と繋がりそうな小道具は




その一切を持たない伝統保守主義





「燕にまくられました。まさかですよ」






ヤクルトスワローズのここに来ての





追い上げはいったいなんなのか






敵を飲み込むという意味で






毎日毎日ヤクルトを飲み続け




私の体内の乳酸菌は




早朝の埼京線のような飽和状態









それでもなお



失速を見せないヤクルトスワローズ







まだ当時は


セリーグ首位が確定してませんでしたので


このダルマに一縷の望みをかけ







5体を観音様の足元に並べて



雨の中ひたすら手を合わせてきました。








その姿を見かねたのか



社務所の方が出てきました。






「あの、、、大丈夫ですか?」






「大丈夫ではありません。阪神タイガースどうなると思いますか?」





「いや、、あの、、、野球は、」






明らかに



私から放たれている狂気に




狼狽している







群馬県警に通報されるかもしれない







我に帰った私は



並べたダルマを片付けいそいそと



観音様下を後にしました








思いの外サイズが小ぶりで




一つを我が実父へ




一つを松本営業所後輩に






三つを一宮営業所先輩夫婦へ






当初予定を覆し



ダルマに想いを乗せて



送りました。














はっと目が覚めた





午前2時




つけっぱなしのNHKに現れた






その御仁



















今が正念場だ。






正念場とは



漢字を分けると




一旦、止まり



念じて、考える場なんだ








金八か









教員のように



選手達に熱く語りかける












元は教職志望だったそうで





仕事が絶賛正念場である





私にも



深夜の矢野輝弘先生の言葉は


刺さりました。








現在






阪神は敗れました。





しかし、



この1年の


私の日々の生活に



たくさんの彩を与えてくれた






一年間本当にお疲れ様でした






エセかもしれませんが


松本にいる

阪神ファンを代表し







兵庫県西宮市へ向けて




敬礼



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一宮の先輩は愛犬まで虎党でした。