上野 「名もなき飲み屋」

「名もなき」ではない。正確には名前が思い出せないだけである。

上野のバイト後、バイト先のお客さんに一杯上野でご馳走になることに。
終電ギリギリ、かなり駆けつけ一杯のそんなノリで選んだ店だから…と名前が出ないことの言い訳にしてほしい。

そのお客さんは元超大手某AV制作会社、現某大手広告代理店勤務のお客様でその破天荒な経歴はその人自身のキャラクターが全て物語っている。

そのお方からひとつ…
「お前の夢は何なんだ?」

私はこの手の質問に一番答えを窮する。

本当にわからないのである。
弁護士、警察官、コピーライター、焼き鳥屋、モンハーマスターetcと…私の夢は行き場のない子羊のようにあらゆるポイントを彷徨ってきた。

そして現在…

私には夢がない。

とりあえず会社も決まった。営業の仕事だ。しかしそれを一生の仕事にできるかと考えると疑問ばかりが脳裏をよぎる。


こんな言葉を私のいきつけの古着屋のマスターからいただいた。

「就職活動中に会社を決める、無理な話です。社会に出ていろんなもん見て吸収してから初めて本当の就職活動が始まるんです」



あせるな。夢はわからない。先が見えない。
だからこそ楽しい人生なんだ。


心に常に明るさを。
みんなの心にも明るさをともせるそんな大人になりたい。
こんな形のよくわからない願望を今は夢と呼ぼうか。