成人之宴

本日は成人式です



酔えや唄えやで
さぞかし今宵は

若人たちがフィーバーしていることでしょう。



宴を見ると蘇ります



学生の頃

友達のバイト先の
ヘルプ的なものでとある

新橋の料亭に駆り出されました


新年会シーズンの真っ只中




生まれながら世紀末級なドンクサさという


悲しい十字架を背負っている私は


カシスオレンジを
客の白シャツにぶっかけ




岡本太郎的情熱のコントラストを作り上げるなど



おおよそ


「ほら人選をまちがえたでしょ。」 と



悟したくなるような

暴挙を繰り返しておりました



みかねた大将は

「腹が減ってるといい仕事できねぇからな」




私に

厨房の裏からおもむろに




テンカスの塊





みたいなものをよこしてきました。




「おっと大将、これってば、ててて天下のてててテンカスじゃあありんすか」


落語家さながらの
イントネーションで
応酬するほどの見事なテンカス




「馬鹿野郎。こいつは江戸じゃめったにお目にかかれねぇ
フグの唐揚げってんだ」





フグ






いや





どうみても









テンカスだろ








あの高級魚と言わしめられるフグの兄貴も







一度調理法と大将を間違えると









こんな見るも無惨な姿形になるんですね



下関のお母さんフグも

息子のこんな哀れな姿を見たら


一家揃って玄海灘に心中を…






もう飛び込んでるのか…


と一人おセンチな気持ちになっていると…





「つべこべ言わず食えよ青二才」




とむりぐり口に放り込まれ


「味はどうだ青二才」




「うまいっすね!
これがフグの新境地ってやつですか!
テンカスの五十倍うまい!」





いや




テンカスの方が百倍うまい…









日清どん兵衛
つゆが染み込んだテンカスなら
二百倍うまい






心と裏腹な
咄嗟の二枚舌外交で

その場は凌ぎましたが






それ以来

フグというものを口にしておりません



調理法と大将を間違えなければ

基本美食カテゴリーにおいて台頭できる

食べ物なのだと思います。




さかなクン含め

全国のフグ関連のお仕事に


携わっておられる方々、



大変失礼いたしました。





















厚木水生生物第…








正月の抱負を無下にしました。





















ミドリフグ



チャーミングさでいえば

歴代の猛者たちを遥かに凌ぎます。








専用エサの冷凍アカムシも買いました。





搬送中余裕で溶けましたが
再度凍らしても問題ないそうです。



丁重に育てます。




もう過去の過ちは繰り返しません。







リメンバーサガミリバー