満開の桜が
相模川を埋め尽くし
春本番の訪れを感じさせます。
桜の彩りを楽しみ
清らかになった
心で
洗面所の鏡を覗くと
そこに映るは
なんと醜い
私のフルフェイス
(素顔 〜すっぴん〜)
その醜さを
象徴するのは
ぼさぼさに繁茂をしている
髪型に他ならないのではないか
レゴブロックの
お人形さんのように
今にも頭から
すぽっと
脱着の可能性を秘めた
ズラのような髪型
桜の彩りの美しさによって
長い眠りから覚めた
私の美的探究心は
私自身のレゴブロックヘアを
許しはしませんでした。
この髪形を
美の極地へ昇華させることは
可能なのか
そして
そのために私は今何をすべきか
だた
それはとても
簡単なことで
ここ日本で
一番美を極めた者たちが
集まる場所で
意見を乞えばいいのではないか
そして
私の住むここ厚木には
日本有数の交通の大動脈
国道246号線が南北を貫き
厚木から北へ進路をとり
そしてその先に見えるは
日本の美の探究者達が集う街
表参道
があるではないですか
思い立ったが吉日
前回の厚木某美術館への
邁進同様
ただひたすら
北北東へ進路をとりました。
一時間ほどかけ
表参道に
いざ到着
するや否や
私はとても大事なことに
はたと気づかされました
私自身が
美の探究者に対峙するには
あまりにも失礼な格好ではないか
と
何回か着まわした
カットソーに
もう
青の絵具を
何倍にも薄めたような
淡色ジーンズ
私自身
全身の美への武装が
急務であることに気づき
すぐさま
私の美の臨界点
「SHIPS 某店舗」
に殴りこみをかけ
この春
一番おしゃれな格好をしている
マネキン
を見つけ
「このマネキンの召している衣服をすべて童に授けよ」
「ひひひ…卑弥呼様!!はは〜!」
なめられぬよう
一番うだつの上がらなさそうな
店員に
マネキンからの
衣服追剥の命を与えました
そして
タグというタグをすべて引きはがし
表参道へ再度出陣
美の探究者たちは
私を見てこう感じたかもしれません。
この日中に
なんていうホラーなのだ
SHIPS
のマネキンが
表参道を
闊歩している
と
なりふり構わず
私はこの街に潜む
本物の美の探究者
いわゆる
カリスマスタイリスト
を探す作業を始めました
ローソン某宮前4丁目店で
美のバイブル
CanCam
を熟読
全くもって納得のいく
答えが出ません
どうするべきか
私は目を閉じ
深呼吸をして
再びバイブル(CanCam)を開くと
そこには
一人の美しい女性が
その名は
なるほど
とても健康的な美しさ
この女性の美なら
信用できるかもしれない
私はすぐさま
美の探究を志半ばあきらめた
現在、左官工を営む友に電話をし
「舞川あいくを知っているか」
「中学の同級生だったっけか?そんな奴知らん」
「CanCamのモデルらしい。この女性が放つ美が本物か知りたい」
「意味わかんねえよ。ついに頭いかれたかお前」
「至って冷静だ。この女性がどこで美を極めているのか調べてくれ」
「今回のミッションの報酬は?」
「カントリーマアム5枚」
「よし、手を打とう」
その左官工は
過去に美を追求していただけあって
謎の情報網を駆使し
見事
舞川あいくという女性が通う
美の洗礼地
いわゆる
美容院
を割り出しました。
名誉のためここでは
店名を伏せますが
すぐさま電話をし
「こんにちは。御社で1番のカリスマを出してください」
「は…その…お客様が言われる者ですが…
一応代表が渡辺というものなのですが
本日あいにく予約でいっぱいでして…」
さすがカリスマ
なんてタイトなスケジュールなんだ
「では2番目にカリスマを出してください」
「黒瀬というものなのですがその者なら…2時からご予約可能です」
時計を見ると
午後の12時半
黒瀬君
君は
本当に
2番目のカリスマなのか
カリスマが
ものの2時間で
予約が取れるくらい
手持無沙汰なわけなかろうに
疑心を抱きつついざ
カリスマとの対峙の時間
命を宿ったSHIPSマネキン
VS
カリスマNO2 黒瀬
グレーのジャケットに
黒のタックトップ
まるで
品川庄司の
庄司智春のような出で立ち
「いかがしますか」
「ジョージクルーニーみたいにしてください」
「なるほど、ジョージクルーニーですか…イメージこんな感じで」
黒瀬氏は
ひたすら
雑誌
LEONで
斜に構えるモデルを指して
模索をし始めました
氏の
あまりにも
真剣な瞳から
私自身
罪悪感に襲われ
「すいません。嘘です。
表参道がちゃんと歩けるかっこよさにしてください」
「なるほど…だとすると…」
また氏は
ヘアスタイル模索ループにはいり
小一時間悩みそうだったので
「これでいいです」
「あ、わかりました。」
やたらヘアカットモデルが
羅列された雑誌の
一番それなりに短くて
無難な髪型を指しました。
ちなみに
氏の
トークには
カリスマ性を
感じなかったので
文字数の関係上
この場では
大幅にカットをします
いざ
鏡に映ったのは
とても
かっこいい
みょうが
とでも
呼びましょうか
下記参照
2011年度
この春
表参道から
日本へ発信する
最新モード
その名も
MYOUGA STYLE
(みょうがみたいな髪型)
あくなき美への
探究心をお持ちの皆様
ぜひお試しください
駐車場へいざ戻ると
4セグ表示をフルに使った
「4800円」
の請求金額
MYOUGA STYLE
(まるでみょうがのような髪型)
と大差ないではないか…
美への追求は
やはり
コストを要するもの
まず
駐車スペースの確保から細心のご注意を