輪々乱々

「4月16日 午前6:30 比較的動きやすい恰好で 須走IC側ローソン集合」











日本テレビの伝説的バラエティ
進め電波少年を彷彿とさせる






目的が一切不明瞭な召集連絡が

ちょうど3週間前










弊社立川営業所の
若旦那から来ました。









詳細を問いただすと
なんでも










来る4月16日






静岡県に位置する
日本F1界を牽引する
名サーキットコース












富士スピードウェイ(以下FSW









にて
全国の走り屋たちが集う
とあるレースがあるとのこと










ただし









今回は





四輪



















ではなく



























二輪













しかも


バイクではなく


































ママチャリ










そして






































6時間耐久









「2週間あるから体を作っておくように。以上」





必要最低限の連絡事項のみで
電話は切られ










無情にも

「ツーツーツー」
と無機質に鳴る
通話音が








私の思考停止状態を
表わしておりました。








ちなみに
FSWは全長
4.563km









これを


たかだか
ママチャリで
6時間ぶっ通し
で走り続けるのか







何か
そこはかとない







絶望






が待ち受けているのではないか






とりあえず体を作るしかない



私はレースまでの2週間

6時間を凌ぐ体を作るため










①就寝前のヒンズースクワット10回3セット



相模川土手沿いの走りこみ




③元巨人清原のトレーナー、ケビン山崎の肉体改造論読破







をトレーニングメニュー表に記載




来るべき










絶望に


立ち向かうべく







2週間の限られた時間で
自身の肉体改造を図りました。



















そして
肉体改造スケジュールが
全く遂行されぬまま







瞬く間に2週間が過ぎ
当日を迎えました








以下
昨年度の






みちのく一人旅









鎌倉道中引き回しの刑








に引き続き































「絶望の無限ループ
〜混沌と混乱と狂熱のママチャリレース@FSW〜」











ダイジェスト版でお送りします





















午前7:30
静岡県須走IC側
ローソン集合






今回参加の8名のうち
出発時間の遅れにつき
第2便で集まった戦士たちは


1名の立川営業所のお客様と


4名の弊社営業担当





の計5名








以下レーサーの詳細プロフィール


①軽妙な関西弁で車中一同を爆笑の渦を巻き起こすも
レースへの意気込みを一切語らない
弊社立川営業所長








②所長の波状ボケに的確な突っ込みと
軽妙な相槌を雛段的座席から繰り出すも
レースへの意気込みを一切語らない
弊社立川営業所の若旦那








③中学生の頃のあだ名はドラクエシリーズに出てくる「爆弾岩」
とカミングアウト
自身の自虐ネタを巧みな語彙で笑いに昇華させるも
レースの意気込みに関しては語彙が著しく乏しくなる
弊社東京営業所の若旦那











と弊社立川営業所のお客様と私

















午前8:00





入場ゲートをくぐり我々が迎える戦場は
全長4キロ
コーナー数16


を誇る日本屈指のサーキットFSW





















ではなく















その入り口の観戦者用の
駐車場に設けられた手作り間満載の
特設サーキット場











おおよそ
小学校の運動場1周にも満たない
その全長







「景色が全く変わらないな…」


「こっちの方が本当に地獄なんではないか…」



一同の思惑が
言葉を発せずして
一致した瞬間でした。















午前8:30



開会式
主催者のあいさつと続き




今回4回目を迎えるこの大会に際し、
「今回初めての出場の方はどのくらいいらっしゃいますでしょうか?」
という主催者から会場に挙手を求められるも




手を挙げたのが














会場のほぼ9割































このリピート率の悪さは



一体何を物語っているのか…























「やべ、俺切れ痔だったわ」






と早くも戦線離脱を思わせる
所長の発言
















午前9:00
レース開始



ルールはいたって単純
ただひたすらFSWを真似た特設サーキットコースを
チーム内でリレー形式で6時間ぶっ通しで走りぬくというもの





誰が何周するかなどはチーム内で自由に決められる





















なるほど


















必然的に下っ端の私に複数回の周回数の依頼が来るのではないか

という不安は口にはせず















午前9:30
立川営業所のお客様4名に全力で周回数を稼いでいただき
いよいよ我々の番




所長と爆弾岩の若旦那は
「軍手を買いに行ってきます」
とメモを残したまま

人里離れたのコンビニへ逃走








残された私と
雛壇若旦那で周回数を稼ぐ
















午前12:00

昼食に持参のバーベキューセットで焼いた
お肉が振舞われる



部位を変え終始一貫して肉がはこばれてくる







ようやく人里離れたコンビニから大量の軍手を担ぎ
所長と爆弾岩の旦那が帰還


各自に軍手が支給される
















午後1:00

もう何周したのか、なん順目なのかもわらかぬままママチャリに股がり
未だゴールの見えぬアスファルトの上でひたすらペダルをこぐ。



ギアの変則が明らかに段違いなママチャリや
ママチャリとは呼びがたいマウンテンバイクらしき二輪を発見。



ママチャリの規定の甘さに憤りを隠せない。






午後1:30

順位がいつのまにやら上位に食い込み、
各々に謎の士気が芽生える。




私自身も先を急ぐあまりコーナリングでの
ハンドルさばきに失敗。





他のレーサーと接触事故を起こす。
「ちっ」っと思い切り聞こえるような舌打ちをされるも
レーサーシップに則り
「どうもすいませんでした。」
と真摯に対応






午後1:40



先ほどの接触からママチャリに歪みがみられる
タイヤが左右に蛇行し始め




「ああ…ママチャリ…タイヤまがっちゃったよ…」



とまるで恋人の病を悲しむかのように


ママチャリに話しかけるお客様









「お金ならくさる程ございますので、弁償させてください」
と交渉を持ちかけるも










サドルに手を置いたまま
ママチャリとの会話がやまず
追加10周程周回数を
私自身が増やすことで交渉成立











午後1:50


もはや10分刻みで
ママチャリにひずみが生じる



ギアが一番重い段に下がったままあがらない。
壊れかけのママチャリは各自の太ももをいたぶり始める






午後14:00

ママチャリが謎の異音を発しながらも
自アンカーのなすりつけ合いに余念がない。











午後15:00
レース終了

最終順位約90チーム中40位と
各自うまくリアクションが取れない

お客様に近くの温泉で疲れた体を癒す提案を受けるも
所長自ら自身の切れ痔を理由に辞退









以上手記は終わりますが

今回の富士スピードウェイ ママチャリレース
http://www.japan-racing.jp/fsw/10/10supermama.htm







その辺に違法投棄されているようなママチャリでも






あくなきチャレンジ精神と
少しの体力があれば
出れるそうです。








来る6月5日に



















6時間耐久レースシリーズ第2弾
















2輪ではなく










3輪車での
のオファーが来ましたが





丁重にお断りをしました。