王者君臨

新年明けましておめでとうございます



ゆく年くる年
皆様はどのようにすごされましたでしょうか




帰省、初詣、観光



長期のお休みを取られた方は
さぞかし楽しかった出来事達に
今頃思いをはせられているかと思います。





私自身
正月早々





千鳥足で階段を踏み外し

顔面から階段に激突





手でも足でもなく

前歯での着地を器用に試みたため



前歯2本を欠けさせ
クッションの役割を果たした下唇は
内外ともに大きく傷を作り




後日
その瞬間の私の顔写真を
介抱をしてくれた連れから
見してもらったところ





実話ナックルズ」の
企画で使われるような
血まみれの若者たちの顔に
見事変貌しておりました。






満身創痍で臨んだ
浅草寺でのおみくじは





見事に






形成外科と歯科を梯子し
担当医から失笑をくらい







気がつけば
今年は本厄






小生
これまで
常に有刺鉄線の上を歩いているような
紙一重の人生でしたが












2012年も
話題に事欠かない
良い年になりそうです。












溢れんばかりの食欲がやまず

いざ野菜スティックを前歯で噛もうものなら
信じられない程の激痛が歯茎に走りました。






欠けで済めばいいものを
神経までダメージを負い
前歯で食事をするのが困難な状況の様です。




しかし
どんな状況でも
食を楽しむことを忘れない
料理評論家
山本益博ばりの
グルマン精神を持ち合わせている私は




厚木サティ地下1階食品売り場で
思いに思いつめました。




前歯が使えない人間が

比較的奥歯のみで


負担なく楽しめる美食とは一体何か






かつ栄養になる炭水化物
白飯を食べるには
どうすればよいか




お茶漬けじゃ芸がない







では白飯に何をかけたら一番うまいのか



















この状況の中



ふと営業所の
先人のご指導が
私の頭をよぎりました。
















「この世には、白飯にかけて本当に相性の良い魔法の調味料がある」












醤油でも塩でもゴマ油でもない








その勇者の名は










焼肉に市民権を与え

おいしさのその先の境地に常に挑戦を試みる

焼肉のたれ界の先駆者


モランボン






が誇るたれのフラッグシップ





























「ジャン 焼肉のたれ 240g」














これしかない




私は
厚木サティの

調味料売り場を血眼で捜しました










エバラ 
日本食研
トップバリュ


全くもってモランボン社の気配がない






何やら忙しそうに
新年の品出しに余念がない
サティ店員一名を捕まえ






「おおおおおい…君の店には…モモモ…モモモランボン社の焼肉のたれはないのかね」





このままでは
前歯を使えず




あの時のような
泥水を飲む生活が
始まってしまう恐怖から
その声は震えていました





「お客様!!お気を確かに!!モランボン社はこちらでございます!」




と店員は私を精肉売り場は先導





おい
なぜ精肉売り場なんだ…





「おおおおい!聞こえなかったのか?モランボンをくれ!何を隠そう私はいま前歯が欠けているんだ!そんな客に肉を食わせようなんて貴様正気の沙汰じゃないぞ!!」






私はその顔の醜さゆえ
風邪でもないのにしていたマスクを外し

映画「親指タイタニック
のキャラクター顔負けの
ガタガタ前歯を見せつけ
必死の抗議




「お客様、落ち着いてください。どどどうかマスクをしてください…もうすぐそこにモランボンはあります。どうぞ手にお取り下さい!」









なんと確かに

精肉売り場の隅の隅

厚木の小市民が購入をあきらめるであろう
高級国産の精肉が並ぶ棚の上に堂々と





モランボン社のフラッグシップ 




「ジャン」が鎮座






他のたれ共の追随を無視し


堂々と自分だけの住処を
この厚木サティに築いているというのか






見事、恐るべしフラッグシップぶりだ







「お客様、ジャンでございます!」




「御苦労、君は検品に戻りなさい」




「ははー!」










なるほど





これが王者ジャン…


この容器の流線形もどこか次世代





さてその市場価値は…


私はふと棚にある値札に目を向けたところ

「260g 465円」








おいおい
モランボン








ちょっと高すぎやしないか…



他のたれ共の市場価格を確認したところ







「300g 198円」



「280g 298円」



なんなんだこの戦闘力の差は



これが地球人とサイヤ人の差なのか





ただやはり
ここまで
この波いる他のたれ共を蹴散らし
別のコーナーで我がもの顔をしているだけあって
その実力にはとても興味がありました。





正月早々治療費だけで
だいぶ出費が重なった状況ではありましたが
勇気を振り絞り
ジャンを買い物かごへスローイン














さて

王者ジャンよ

その実力


我が家のキッチンスタジアムで
とくと披露していただこうではないか





次回

「王者ジャンの実力や如何に 魔法のたれの真髄編」
をお送りします。