美食品評

前回


焼肉のたれの王者 
ジャンとの邂逅を綴りました。




その実力や如何に




早速我が家にある食材にて検証を開始





確かに
白飯、野菜、豆腐…
何にかけても
その素材本来の味を壊さず
さりげなく味を添える




ただ口の中には味の余韻がしっかりと残る




従来の焼肉のたれが持ち合わせなかった
味の柔と剛を使い分け





そしてそのたれを振りかけたゴミですら


そのゴミが存在する空間ですら



残り香が芳しい
まさに香味の魔術師




おそるべしジャン





しかしジャンよ



その味の検証を行っているのは



あくまで前歯の欠けた
舌の精度も定かではない
しがないサラリーマン無勢





その実力を
もっと広い世界で勝負をした場合
どのような評価を得るのか






私ではなく



料理記者歴40年を超え
今もなお




現役で真の美食への探究をやめない
岸朝子氏が食したら





「おいしゅうございました」
と果たして申すだろうか。




しかし
岸朝子氏に



「とりあえずジャンをかけた冷飯を食べてください」

こんなオファーを
料理に何の造詣のかけらも持ち合わせない







私が
御自宅に訪問し


インターホン越しに
提案しようものなら






中から出てくる
屈強黒人ガードマンによって


朝子氏秘密の納戸に連れて行かれ
特殊な金属で加工されたまな板で




ボコボコにされるに違いない






ならばここはひとつ…
彼らにオファーを出すしかない。


















来る日も来る日も
出された飯には文句を言わず





且つその味を無言で
時に険しい表情で
一口一口味を噛みしめる…





私以上にグルマンな舌を持ち合わせる





厚木のお師匠様達に
ジャンの実力を評価していただこうではないか





そのグルマン達にジャンを献上するには





グルマン達の横に鎮座する

所謂
参謀の承認が必要になります。











その参謀の正体こそ




私が厚木に来る以前から

我が住処の下に城を構え




バブル崩壊以降の地価を
その優しくも時に厳しい眼差しで




モノ申す好々爺







しかし
好々爺ながら時たま見せる


その鋭い眼光に恐れをなし



我が住処(マンション)の住人は
好々爺のことをこう呼ぶ














「あ、ああ…おおおお…おはようございます管理人さん」














私はいざ参謀に承認を得るため



参謀(管理人)の好々爺がいつも鎮座する
マンション下の駐車場へ向かいました。





私「すすすすいません、私調味料のメーカーで味の研究をしておりまして猫に焼肉のたれをかけた飯をあげたらちゃんと食べれるのかどうか会社から課題が出ておりまして…そこでぜひ管理人さんの猫ちゃん達にたれを…」







管理人「いいよ。私の猫じゃないし。奴らなんでも食べるから勝手にやって」








当初交渉が難航するかと思われたグルマン達(野良猫)
へのジャン献上会ですが





参謀、私の台詞をほぼ食い気味の二つ返事で交渉成立







いま味の新境地
王者ジャンの新たなる挑戦の火ぶたが
切って落とされました







果たして厚木のグルマン三匹集









「本厚木キャッツアイ」は



そのたれの実力を
どう評価するのでありましょうか







ここからは実況を私、
歯 欠夫(は かけお)




解説は
味の貴公子



再び登場
セルシオ越前さんでお送りします。












歯「管理人監修の元
挑戦者自らの手で、今焼肉のたれが順々に並べられております。












左から
A エバラ 焼肉のたれ 黄金の味  甘口 400g 298円


B トップバリュ 焼き肉のたれ 甘口 295g 158円


C モランボン ジャン 240g 465円





各社とも自慢の味をこの戦いに揃えてきた模様です。
果たして本厚木キャッツアイはどんな評価を下すのでしょうか」





セルシオ「挑戦者一人暮らしのくせに今回の勝負の為だけに、無駄に焼肉のたれの在庫を増やしましたからね…しかるべき結論が得られないと相当サブいと思いますよ」





歯「おっとここで管理人からストップが!!」



管理人「熱いまま持ってきたの?素人だな。ほぐして冷ましてから上げないと」



歯「ここで挑戦者、教育的指導!ここで管理人みずから米をほぐし…
いや、自由気ままに米をほぐされABCと割り振った部分が隠れてしまった!」






セルシオ「挑戦者自らの手で、管理人がいない所でABCが見えるよう修正してますね。逆境に負けないナイスガッツですね」














歯「いざ、本厚木キャッツアイの待つダイニングテーブルへ献上」














歯「やはり凄い!王者ジャンの実力!!本厚木キャッツアイ3匹中2匹が奪い合いの模様!!混戦!混戦模様ですセルシオさん!下馬評通りジャンは猫の舌をも魅了するのでしょうか」



セルシオ「正直猫はなんでも食べますからね、まだ序盤ですからジャンも油断ならないと思いますけどね」







歯「いやセルシオさん、おっと…1匹2匹…まさに一口食しただけでキャッツアイが退散の模様!!もはやジャンにですら近づいていません!」










セルシオ「なんででしょうね…食事自体放棄ですか。そもそも本厚木キャッツアイ…腹すいてなかったんじゃないですか」




歯「いつのまにやらダイニングテーブルには猫影が消えてしまった…ん…ここに来てまたまた参謀いや、管理人が登場!!」





管理人「やっぱ駄目かな…いつも食べてる味じゃないと…」





歯「なにやら参謀大きな袋から…実況席からその正体がよく見えませんが何やら鼻糞じょう…いやキャットフードです!参謀、市販のキャットフードを皿に投入させました!」








セルシオ「当初の主旨とずれてないですかね。いいんですか?このタイミングでキャットフードは反則でしょう」






歯「どうゆうことでしょうかセルシオさん!退散した本厚木キャッツアイ達がなんと!!キャットフード欲しさに戻ってきたではないですか!」








セルシオ「もうノーゲームですよこの試合。ジャンに対しては何の結論も得られないじゃないですか」




歯「うまそうです!まさに猫まっしぐら!!とてもうまそうにキャットフードを貪りつきます本厚木キャッツアイ!まさに我々人間が食してもイケるんじゃないでしょうか!と思わせるくらいのがっつき具合です!」



セルシオ「んなわけなでしょう。なんならあなた試しに一粒失敬してくればいいじゃないですか。」





管理人「結局食べなかったねご飯。これゴミになるから明日の朝片づけておいて」







歯「なんと血も涙もない発言だ参謀!挑戦者に労いの言葉もありません!」






セルシオ「でしょうね。挑戦者のエゴで勝手にやってることですから。むしろ飯を無駄にしているだけ罪ですよ挑戦者。日本ユニセフ本部の方角に土下座するべきですね」






今回
ジャンの実力は
何か見えない別の要因によって
正確な検証ができませんでした。


しかし私は彼の実力を
これからも訴え続けます。



一家に一本
皆様もジャンを買いに立ち上がりましょう

「まさか…ジャンを×××にかけたらほっぺがおちました。」
海原雄山をもうならせるこんな情報がございましたら
当サイトにてご連絡をお待ちしております。