目が覚めると
都内某所のカラオケ屋の
6階の1室
しまった
また小一時間の記憶が
何者かによって
消されてしまっている
最後に
表参道の光麺で
豪快に
熟成光麺の全部載せの
頂上に鎮座する
味玉の上に
さらに味玉を一個のせ
とてつもなく
危なっかしいジェンガの上に
さらにブロックを
ひとつ
積み上げた達成感に浸った
そこまでの記憶しかない
カラオケ部屋の1室でふと
煌々と光る
テレビ画面に目を向けると
「DAMチャンネルをご覧のみなさん、こんにちは!きゃりーぱみゅぱむです」
犯人は
こいつか
「ぱみゅぱみゅ」の部分をとても慎重に発するも
おい
本人ですら若干噛んでいるではないか
午前3時に
テレビから
我々に
謎の日本語を語りかける
そして隣の部屋から
聞こえる
きゃりーぱみゅぱみゅの
「つけまつげ」
を熱唱している
夜更かしガール達
601号室と602号室と603号室の空調が
共有だとフロントから聞き
冷房を止めにいくも
有線放送から
冷房が示していた値は
19度かつ強風
いったい誰が
こんな他の部屋の民を顧みない
傍若無人な冷房設定を…
冷房を即座に停止
しばし始発まで仮眠をしようと部屋に戻ると
先ほどの映像がまた一周し
画面から語りかける
謎の呪文により
またしても
睡魔に襲われ
ふと目が覚めると
またも冷房が作動
やつら
つけまつげ
いや冷房
またつけやがったか
外に飛び出し
再度冷房を停止
そのボタンを再度押す気を失せさせるよう
私の
真っ黒い
ノーズフィンガーボールを
マーキング
ミッション完了し
部屋に戻ると
もはや
今宵
この女から私は
逃げれないのか
新作アルバムの紹介を行う
という単語を
タイピングするのが
もうつらい
しかし
この世界は既に
何処か遠い異星から
我々の脳内へ
侵略を試みるためにやってきた
きゃりーぱみゅぱみゅによって
占拠されてしまっている
真夜中の
冷房攻防を回避し
いざ厚木に逃げ帰ると
レコードショップの店頭で
新作アルバムのPVを
流し続ける
「♪あんあんああんあん!ぱみゅぱみゅ!」
渡辺淳一先生
ぜひ次回の
男と女の本質に迫る
恋愛小説で
この官能的な表現を使ってください
つい店頭で謎の呪文によって
夢遊病患者の様に
動きを支配され
そのままレジで
を購入
私
「こ…これ…PVもついているんですか」
店員
「はい。お家でしっかり練習してください」
こいつも
きゃりーの差し金か
家に着くなり
PCにCDをセットして
大音量で頭から曲を聞いてみる
なんなんだ
曲が進めば進むほど
偏差値が5ずつ下がっていくような
この脱力感
「ぷよぷよ」の生みの親
立命館大学
映像学部教授の
米光一成大先生も
「聞けば聞くほど脳内が破壊される」
と大絶賛
Perfumeなど
何処か口ずさんでしまう
サウンドを
生み出し続ける
中田ヤスタカ氏の
最新兵器
恐るべし
政治家の先生方
そんな難しい顔せず
一度
処方してください
その会談
「消費税ゼロでおっけーい」
という方向で
うまく
まとまるかもしれません。