米原分岐

ご無沙汰をしています。


もしこの世界のどこかで

まだこのクソ日記を
見てくれている誰かのために



更新をします。











分岐点

人は一生の中で
様々な分岐点に遭遇します。





飲んで寝る
寝過ごす
痛い目にあう

所変わっても
やはり人間の癖は治らないものです



名古屋で久しぶりに出会った
昔の営業所の

諸先輩とお酒をかわし

解散後

東海道線 米原
の最終列車に乗り込み




安堵












しすぎたのでしょう


見事







終点米原にゴールイン



戻りの列車はなく



仕方ないタクシーか…







尾張一宮
1万ちょっといきますよ。」





絶望的な



料金を聞き





ここ米原にステイを決意





米原という土地を


皆さんご存じでしょうか







岐阜との県境にある


滋賀県の玄関口



まがりなりにも


東海道新幹線の乗車駅であり




この駅を先頭に


JRは西日本に切り替わります




車においては

米原ジャンクションは



名神高速北陸自動車道


分岐する


交通の要所でもあり











条件的には

繁華街を想像してしまった私






米原




その浅はかな想像を






大きく裏切ってくれます









駅舎を降り






目につく建物





東急東横イン











以上












正気か?






ああ



セブンもねぇ


吉牛もねぇ






車も全然走ってねぇ


おらこんなまちいやだ




駅から歩いてようやく




サークルKを発見


致命的なのは





携帯の電池も切れている状況






店員さんに



「すいません。
この土地に飲み屋は一件もないのですか?」




「ないですねー。寝過ごしですか?」






「はい」






「えらい所きてしまいましたね。

飲み屋お探しで?」




「はい。朝までやってるところで」




彦根がいいですよ。
タクシー呼びましょうか?」







「いいんですか?でもお高いんじゃ?」







「いやいや千円ちょいでいきますよ。」






「え?本当に」








タクシーを呼んでもらい



一路彦根を目指すことに







なんて親切なサークルK







米原という樹海に彷徨う


酔客の捌きは



慣れた仕事なのだろう



















「おまちどうさま!2500円です」













おいじじい





倍額以上かかるじゃないか。














初めて降りる彦根駅


寝過ごした酔客に

怒りを露わにしているような形相の



井伊直政








チェーン店の灯がちらほら


せっかく来たから



欲が出てしまう






なんかこの土地ならでは

みたいな居酒屋は



ないもんか…






歩いて


歩いて




ようやく一軒







笑うセールスマン
オープニングに出てくるような







バー魔の巣を彷彿とさせる店

を発見





「いらっしゃいませー!!
ようこそようこそ!!」






店員が5名



客数より圧倒的に多い


過剰雇用




そしてその全員が

深夜1時前後の



テンションではない。




「ビールを」




「ささ!一杯どーぞ!」






いきものがかり

ボーカルのような




かわいいとブサイクの

絶妙な狭間で

評価が分かれそうな

顔の女性が

常にお酌をしてくる






いったい業態はなんなんだ

「お客様初めてですよね!
近所のお住まいですか?」






寝過ごした経緯を話す





「店長!!
一宮から寝過ごしだそうです!」




声がでかい。





「えー!三河の方ですか!ようこそこんな辺鄙な田舎町に!」




正確には尾張だが
話が広がると面倒なんでスルー






「駅前に沢山あるのに
わざわざようこそ
おいでくださいました!」



「飲んでくださいよ!」


また新しい瓶でお酌してくる店長




やたら慣れっこい。





「よくきましたね!!
彦根はなんもないっすよー!!」




隣の酔客も
いよいよ会話に入ってくる





最近テレビでよく見る


メイプル超合金


カズレーザーみないな風貌




金髪

ロンゲ

マッチョ


サテンのジャケット


胸元にギラギラひかるチョーカー





職業を聞くのが

はばかられるくらい



怪しすぎる




発する言葉一言一言で


自分笑いしている






「滋賀なんもないっすからねー」





「私、鮒鮨とか好きですよ」





「あんなくっさいもん滋賀県民誰も食べないっすよ」






滋賀の持てる知識を


総動員し

会話を繋ごうとするも






全部自虐で返される







ただ底抜けに明るい

自虐を笑い飛ばす



県民性なのか





「宿はどちらに?」






「どこにもとっていません」




「じゃあ朝方まで飲み明かしますか」






滋賀県カズレーザー






長いので滋賀レーザー




から大胆な提案を頂く




「大将!車用意して!」




「了解!」




テンポが早い




あれよあれよと




大将の
マツダデミオ

乗せられ







「どちらに向かうんですか?」




彦根一番のエキサイトスポットですよ」











彦根





袋町

というところを


目指してるらしい







「袋町はね、彦根遊郭があった場所でね」







車で10分しないうちに






袋町へ到着





「また彦根遊びに来てくださいね!」




底抜けに明るい


大将は店に戻る








滋賀レーザーと私は二人きり











袋町







ただただ暗い

夜だから






ではなく


この街が
おそらく持っている



特有の暗さ



遊郭跡とうなづけるような


狭い路地




新宿ゴールデン街





一直線にしたような感じ







両側に所狭しとならぶ





怪しげなスナック







街灯も薄暗い





滋賀レーザーの金髪が






もはや街灯代わりである





「さあ!ショータイムですよ!」



頭のてっぺんの色から



口から出る内容まで





この男


どこまで明るいんだ

















そろそろ




文章が長くなりすぎました





ここまで


読んでくださった




日曜日の昼下がり


暇を持て余している




貴婦人の皆様





いつもありがとうございます







彦根袋町後編を

近日更新します。