彦根袋町

前回までのあらすじ






彦根袋町





遊郭というディープな







飲屋街に立ち尽くす私と







金髪ロンゲのマッチョ







通称








滋賀レーザー







詳細は




前章の米原分岐を





ご一読頂ければ幸いです











行きつけの店があると






滋賀レーザーに



連れられて入った

一件のスナック









外の通りから想像は易く






店舗は狭い






そして室内でもやはり暗い








「いらっしゃい」






ハスキーボイスが



奥から聞こえ








現れたのは






尾野真千子から





幸を奪ったような





黒いネグリジェの






ようなものを着た







一人の女性




暗いからか





私がすでに酩酊しているのか






幸を奪ったとはいえ





一見すると




美しい女性







ただ声がひどい





「連れてる子、見ない顔だねタッキー」






滋賀レーザーは





どうやらタッキーという名前らしい







「ママ、電車寝過ごしてしまったらしく一緒に朝まで飲む予定なんだ!」





「一宮らしいよ!」









「そう。何飲むの?」







一宮からの寝過ごしという事実に





全く食いつかない




そんな酔客がごまんと来るのだろうか









芋焼酎、水割りでお願いします」





「どうぞ」
















本当に割ったのかと





疑いが拭えないほど






限りなく原酒に近い



濃さ








芋焼酎芋焼酎


割ってるのではないか?















「進んでないけど、薄かった?」








「いえ、絶妙な割り方です」










ドスの効いた




ハスキーボイスに圧倒され






嘘をついてしまった










「でしょ!ママの水割りはどんな焼酎でも最高の配分になるんだ」






そう言う滋賀レーザーは











ハイボールしか飲んでいない








「さ、ぐいっと!」







これを飲まされ続けては






まずい








ダークサイドに引き込まれる









まさか


この滋賀レーザーも







そもそも





米原で出会った



あのサークルKの店員も






さっきの謎の店の




ハイテンションなマスターも








みんな








ダークサイドの連中






滋賀の暗黒卿達か






間違いない



何が目的で






私をこんな薄暗い元遊郭跡に








飲まされるだけ飲まされ










最終的に








法外な飲み代が請求










支払い能力がない者には











あの苦役が










滋賀で名が通る






例のあのマスコットの
着ぐるみを着て




















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彦根城の周囲で





灼熱の太陽の下







ひたすら





その身が滅するまで



踊らされ続ける






あれか




彦根城観光で




同情をした


記憶が蘇る























私は案の定




記憶を飛ばしてしまいました。


















「痛え!」




丸椅子から転げ落ち







思い切りこめかみを強打






「大丈夫ですか?」







見覚えのない場所









見覚えのない



ダンディなオヤジ









ヤバい






ここが






ひこにゃん候補者達の詰所
















彦根プリズン