脚下照顧 後編

単身修行2日目を綴ります









4:00
起床






朝5時半に集合と言われたが




無駄に1時間以上早く起床






布団を自らたたみ



正座をしてお茶を一杯










テレビもラジオもない







ただあるのは達磨大師と呼ばれる






大師様が描かれた掛け軸のみ














やることがない












ふと思い立ち









海原千里万里の漫才を




携帯の動画で閲覧







上沼恵美子




やはり神がかっている



うん十年も前の漫才でも





臨場感は色褪せず








そして


圧倒的に面白い




しかし







今この面白さは


誰とも共有ができない














5:30
集合





エレベーターホール前に集合






暖房のない所に連れて行かれるらしく





厚着をするようにと昨晩の指示











5:40
法話






大和尚様からの法話







他の方々と和尚様を囲み




法話を受ける






杉良太郎を坊主にしたような





和尚様の登場





端正なマスク





早朝の寒さ厳しい中に




すっと溶け込む






柔和な雰囲気




さすが





大本山で和尚様を




務められているだけある




この方からだったら





仏像の一つや二つ





買ってしまうかもしれない




話も巧みだ






寝ぼけた脳にもすっと入る法話








「死んだら天国、はたまた地獄、、そんなものありゃしませんよ。今しかないんですよ。今をどう生きるかでそれが天国にも地獄にも変わるんです」






曹洞宗はそのような教えなのか






暖房がないといいながら






暖かいではないか








杉良太郎和尚のオーラから


発せられる暖気か







「朝のお務めのお時間です。この部屋は暖房入ってますが、大広間は外と同じ気温です」














なんだ






暖房入っていたのか







しかし









福井の朝と同じだとは






朝のお務めとは何をするのか…








6:15


朝のお務め








誰もいない


体育館3個分位の大広間







私たちだけが先に正座をしていると






あらゆる方向の入り口から







続々








続々と














坊主が







集まってくる









ここは


坊主ホイホイか?










あの人と違う身なりの坊主は





偉い人なんだろう



しかし






若い坊主も多いこと








私たちにもお経が書かれた







冊子を渡される











漢字だけが羅列され







何を意味しているのか






皆目見当がつかない











「38ページ、宝鏡三昧を読み上げますのでお開きください」







我々も読み上げるのか








何かの合図とともに






およそ200前後はいるだろう








お坊さんが



一斉に暗唱をし始める







何も見ずに



ただただ重低音で






漢字の羅列を読み上げていく姿








圧巻








しかし







どこがゴールなのかわからない








この間は正座






これは昨日の座禅より




堪えるではないか…






私の名前を



お坊さん代表みたいな方に












総勢200前後はいる








お坊さんを前に





読み上げていただく











趣旨としては






先祖代々





そして







今日お邪魔している






我々に













幸あれ






ということだろうと







勝手に解釈をしている












「お焼香をあげてください」










でかい大仏さまの前まで







行くようにとの指示だが


















立てません兄貴












己の足なのか









痺れを過ぎ










麻痺をしているような








二足歩行ではままならないため









両手を使い







四足へ





トランスフォームを試み






前足で



なんとか焼香を終える






7:30


境内散策







若い坊さんに連れられ








大きな境内を散策






食事を作るところ








岩崎弥太郎



寄贈したと言われる




建屋







そのどの場所も




なんせ床が冷たい…





8:00



朝食




夕食よりも



当たり前だが質素な精進料理









9:00




下山












無事であったか






トヨタヴェルファイア








「おはようございます。お務めご苦労さまでした」








駐車場の浅黒い老婆






再び登場










「お兄さん、お代はいただきましたかね?」










「お母さん、昨日払いましたよ」










この老婆は






どうやら禅の使いでは





なかったようだ

















履物はそろえましょう。






再び履くときに心が乱れません。











それが




脚下照顧





と呼ばれる





禅の教えです。








迷いごとあらばまた







この地を目指します






合掌

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