鋼の胆力

移動中のラジオで


会期中は



国会中継をよく聞きます











伝統の一戦は必ずチェック





最近では






あたりが天王山でしょうか






どんな罵詈雑言をくらおうと



表情ひとつ変えず



感情も露わにしない



菅総理のメンタルは



営業の仕事に


従事している人間として


感服いたします。







さすがに蓮舫議員の


議会場に響き渡るメゾソプラノボイス


矢継ぎ早に話を被せる猛攻には





「あなた、ちょっと失礼じゃないですか」




菅総理も少々感情を露わにしておりました。




その他野党の並み居る論客を


相手にしても






左へ受け流す総理





そんな総理のルーツ












その鋼のメンタルのルーツを



調査すべく



エセジャーナリスト精神だけを


エネルギーに










単身


いざ秋田県

行ってまいりました。










るるぶ以上の


土地のコアを知るには





タクシー運転手



寿司屋の大将



スナックのママ




この三人を抑えれば




大抵のしったかぶりを


かませるようになります。








秋田市内の

川反と呼ばれる盛り場ブロック



猫も通らないような

なぎら健壱も歩みを止めそうな


裏ぶれた仄暗い路地



一軒の

これまた

川反の歴史の教科書があるなら

赤文字で表記されそうな

いにしえのスナックに入店




「ワンセット3000円、他県の方、要相談」







要相談


場所によってはこのご時世

入店お断り、そういうことだろう




ドアを開けるや否や


行き止まり






左に折れて


棚と棚の細い隙間を通らないと


次のステージへ進めず





文化祭のお化け屋敷のような

手作り感満載のめちゃくちゃな間取り







「一名、大丈夫ですか」






山下清画伯のような
ランニング姿で


スーパーで買ってきた



刺身や惣菜を繁々と見つめる男がただ一人


座席に鎮座








大物の予感しかしない








こちらの様子に気づいていない





キヨシ画伯「ああ!失礼しました!お一人?」




私「はい。一見物ですいません、大丈夫ですか」


キヨシ画伯「全然!どうぞ!どちらからお見えですか?」




私「長野県なんですが、大丈夫ですか?」



キヨシ画伯「いいところじゃないですか!
長野県民は今500円割引中なんですよ!お客様ラッキーですね!」












要相談とは


セット料金の
ディスカウント可否の事だったのか






たまたま

長野県民であったことに

胸を撫で下ろし着席








キヨシ画伯はいそいそと

惣菜の束を片付け


瓶ビールと一緒に

お通しを運んでくれました







キヨシ画伯「秋田の名物、いぶりがっこはごぞんじ?」




私「はい。承知しています」




 
しかし

画伯が呼ぶそのいぶりがっこ




どう見ても


私たちが普段よく目にする




黄色の沢庵漬けだ





いや


若干黄色の色素も抜け気味を見ると



べったら漬けとも判断できる






少なくとも


私が知っている






90年代後半から2000年代初頭に

渋谷センター街あたりで出没した

顔黒ギャルと総称された者達の

あの灼けたサンタンの肌




のようなブラウンであり






大根が合成着色料の


黄色4号を見にまとった


こんか鮮やかな淡いイエローではない





私「画伯、これは沢庵漬けでは?」




画伯「秋田ではね、沢庵漬けの事を通称でいぶりがっこと呼ぶんですわ!桜なんかの広葉樹を使って燻すんですよ」




燻されてるようには到底見えない



燻せば全部


灼けたサンタンの肌みたいな色に


なるわけではないのか



私が色弱なのか



色が明らかに鮮やかすぎる




見た目はこれだが

実は燻されてるのか



一口いただく











燻ゼロ






味もしっかりいつもの沢庵だ





ただひたすらまっすぐな



沢庵がそこに存在している






なんと切り返す




ブチギレて



沢庵工場ごと投げ飛ばすか




料理記者歴40年


岸朝子先生なら


なんと切り返す








岸朝子先生



私は

コメントが

とても苦しゅうございました








謎の民芸人形やら


名前不詳のグラビアアイドルが


ビールジョッキを持つ


一昔前のポスターやら



別府温泉」と書かれた

観光地によくある提灯やら




所狭しに並ぶ店内に


目を泳がせていると








菅総理の総理就任を祝った


お土産用クッキーが


棚に飾ってあるのを発見






私「菅総理、地元ですもんね」




さも知ったような顔をする私




画伯「……旦那さん、今が正念場だよ」









先程まで終始エビス顔だった


画伯の顔が曇る




私「総理は何言われても表情も、語気も変わらず、肝がさすがですよね」




嫌味ではなく

冒頭の通り私は本心でそう思う




画伯「いや、、語気は全然違いますよ」






秋田県人には


その微妙なイントネーションの高低で



総理の感情の起伏が変化しているのを



読み取れるようだ





画伯「あの方はたいそう苦労されてるし、顔にそれが滲み出てます。県人はやんや言いませんがね、みんな腹ではあの方を危惧してますよ、、時勢が悪すぎますね、、」





この時勢を


誰か一人のせいには


絶対できません






総理は矢面に立っていますが



何を語ってどう進めていくのか




その一進一退に


興味を持つことは


非常に大事であると考えます







私は


自民党贔屓でもなければ


共産主義でもありません。





しかし


こんな未曾有の事態だからこそ


この国の行く末を見定めるべく











来る今秋の衆議院選挙






 
皆さん投票所へ


ぜひ足を運びましょう





笑顔の下に潜む胆力