300円あれば
皆さんは何ができますでしょうか。
300円あれば
そこそこ美味しい鯖缶が食べられ
300円あれば
そこそこ緻密な作りのガチャポンに出会え
300円あれば
BOOKOFFで買えます。
100円と300円
差額以上に
その価値には大きな隔たりがあります。
その昔
毛利のお殿様は
三人の息子にこう言いました。
「一本100円で購入した物干し竿に、森久美子がぶら下がれば容易く折れる。
しかし、三本300円で購入した物干し竿に、森久美子がぶら下がってもそう容易くは折れぬ。」
あらゆるビジネスホテルに
宿泊してきました。
今回の宿
その佇まい
過去最高レベル
老朽化セレクション金賞受賞
期待でしか膨らまない私の胸
部屋にあるのは
机、ベッド、テレビ
以上
それだけあれば十分
しかし
ふとテレビ台の下
透明なガラス扉向こうに
ぼんやりと見える
縦長のボックス
その横に綺麗に整列している
DVD作品が10本程
最低限あればと思ったが
映画が見れるなんて
気が利くではないか。
ガラス扉を開け
そのDVDをおもむろに取り出す
その10作品全てが
大人向け
極めてアダルトなDVD
全てか、
女性客はもう来ないと
経営者はそう判断したのだろうか
1本くらい
モーガンフリーマンが出てくる
お涙映画でも入れたらどうか
その徹底ぶり
天晴れ
しかしこれをどう視聴するのか
ようやく
縦長ボックスの役割がわかりました
料金投入し電源が起動するボックス
上部に貼られた
「300円」
そう記載されたシール
ここに300円を入れると
60分と書かれている為
その間試聴できるという理解
しかし
こんな作品を見るために
300円を使用するのか
と迷う暇なく
無意識に300円を投入していました
六畳一間の静寂に響く
空調の音
それ以外一切の音がない
リモコンらしきもののスイッチを
何度も押す
親の仇のように
リモコンボタンを
何度も潰す
縦長ボックスは
起動しない
本体側か
正面を舐めるように見回す
裏か
背後にある配線を抜き差しする
「小僧!目を覚ませ!!」
大声でボックスに怒鳴る
物言わぬ縦長ボックス
フロントはもう無人
いよいよ肉弾戦か
拳を振り上げたその瞬間
飛び込んできた側方にあるシール
「本機体を故意に故障させた場合、
金30000円請求致します。」
掴んだ拳を使えずに
言葉を無くしてないかい?
どこからか聞こえてくる
飛鳥涼の声
縦長ボックスの前に完全降伏
広げたDVDを
徐に元通りに戻す
300円で皆さんは
最近何を購入されましたでしょうか
その場その時
いろんな思いで
300円の対価を
感じていますでしょうか
この度中津川で
私が300円払って
得た尊いもの
それは
このブログのネタです。
スナック「ざり幸」
阿修羅像とアカテガニが常連です