北参道宴

当サイトの更新頻度にて
私の安否を確認していただいているロシア在住の方から



「お前生きてるのか?」



とメールを頂きました。









私はのうのうと生きております







ただただ



更新が途絶え大変申し訳ありませんでした。






本日上梓させて頂きます。

















先日とある女性の方からこんなメールを頂きました。





「今度北参道のスナックでみんなと飲むからおいでよ」







とある飲み会で知り合いあったこの女性




非常に美しい容姿からは



想像もつかない程の豪快な酒の飲み方をすることから



意気投合





(容姿を例えるなら整形外科医の西川史子先生の顔にさらに整形を試み、あごのラインをシャープにし、小じわを除き、目鼻立ちを際立たせた印象。以下ネオ西川先生と略称)







趣味がスナックで大酒を飲むこと




よく北参道のスナックで

朝方まで騒いでいると


以前おっしゃっていたネオ西川先生







私も社交辞令で




「今度ぜひ!連れてって下さい」




とは言ったものの



まさか本当に御誘いを頂けるとは…



感無量でございました











ただこのメールの一つ気になる表現













「みんなで」










という単語
















このネオ西川先生は本家の整形外科とは




当然





職が全く異なり





そのお仕事とは





あの一時代を築いた




マルチ商法最大手の某社
















過去








新興宗教政治団体、オカルト集団、ウクレレ教室…









押せばこいつなんとかいけるんじゃないか




というのび太的容姿をしている私の元には様々な勧誘が





寄せては返す波のように






絶え間なく続いた時代がありました












まさか







その「みんな」から人海戦術をくらい




店にたくさん陳列されたとてもいい匂いのする洗剤





そのいずれかを購入し…












私の中のエセジャーナリズム精神に火が付き





「ぜひ参加させて頂きます」





と二つ返事でメールを返信










私と同志2名を連れいざ北参道











今回のミッションのメンバー紹介

①ミスター中岡(仮名)




私の会社の同期。そしてもはや戦友。その絆たるや往年の坂本竜馬中岡慎太郎の絆をも越える。どんな苦境においても冷静な判断を行えることから今回選出。北参道近江屋事件のような惨劇にならないことを願う。








②ミスターMS君(仮名)







私の会社の後輩。その若さからは想像もつかない経験値と無類のスナック好きという老けた趣味を持つことから今回選出。仮名については、研修時代に学生時代からの乖離具合に体が悲鳴を上げ、思わず夢精したことから拝借。









午後8時




同志2名と東京メトロ北参道駅にて集合





営業所が遠方の中岡は遠路はるばるわざわざ参戦










私「中岡どん、こんな遠路わざわざ出向いてもらい…かたじけない」



中岡「気にすることはないぜよ。」





西川史子みたいな綺麗な女性とお酒が飲めるという情報以外




事前情報を中岡には何も告げなかった私







私「ひとつ些細なことなんだが」





中岡「なんだ?」







私「相手は整形外科医ではなくマルチ商法の会社に勤めている方なんだ」






















中岡「全然些細じゃねえよ」











中岡のご乱心ぶりにMS君がうろたえる












そして期は熟し、いざ入店





しかしネオ西川先生含む相手がたの「みんな」






のメンバーはその店には存在せず











携帯をみるとネオ西川先生から







「ごめーん!!少し遅れそう!」





との連絡










スナックのママに一番奥のテーブルを通される









そのテーブルには人数分の取り皿と真中には大きな鍋







その内装もさることながら





まるで友達の家に鍋パーティを




しにやってきたような錯覚に陥る









そしてかなり高齢と思しきスナックのママ






「○○ちゃんのお友達ね!待ってたわよ〜ささ!座って!」








対応が手厚い







無言の男三人







横には常連と思しき高齢の客






カラオケを入れて曲を流すが






メロディだけ流し全く歌うそぶりを見せない








ママ「○○ちゃん遅いから…先に飲んでなさいよ!」




机の上に置かれる大量のサッポロ黒ラベル大瓶







黙々と飲み続ける男三人





男は黙ってサッポロビール













我々の到着から30分遅れようやくネオ西川先生がご到着








後ろにはネオ西川先生には引けをとらない容姿の美女















しかし









問題はその格好












グレーのパーカーにGパン、



ハローキティのサンダル







田舎娘が



その辺のコンビニに






お買い物をしに行くような出で立ち










きっと近所なんだろう





男三人誰もがそう想像したいた





唐沢寿明の妻、山口智子を彷彿とさせる顔立ちから以下智子と略称)












智子「いや〜北参道遠い!!寒いししんどいわ!」






私「どちらからお越しで?」







智子「私?阿佐ヶ谷から来た」










3人とも固唾を飲んで智子を見つめる











こやつ






このなりで












都内随一の乗車率を誇る中央線に乗り








この瀟洒な街、







北参道へ出向いたというのか…











強者すぎる。










MS君に関しては戦慄こそ走っていた











どうやらネオ西川先生と智子は違う職種らしい








智子「ママ!ビール!!」







狭い店内に響き渡る、必要以上にでかい智子の声






そしてその飲むペースは私の2倍






開始10前後で1瓶が空く









あいた口がふさがらない中岡






智子「ママ!鍋すごい美味しいね!酒が進む進む」






鍋が煮える前から

智子はもはや酒を飲む機械のように



同じペースで飲み続けている






智子の勢いに圧倒され、言葉数が少ないネオ西川先生





智子「ママ!ビールなくなった!次焼酎ください!」





智子は今日この店は一見さんらしいが




もはやその振る舞いは


先ほどからいらっしゃる御常連さんよりも厚かまし









挙句の果てにはその常連に絡む始末







智子の出現を皮切りに客が次々と来店






智子の暴走に恐れをなしたMS君は







新しく来た常連客とビートルズを肩を組みながら熱唱








もともと下戸である中岡は




別の常連客に営業論を語られ続け、








顔が沈痛な面持ちに





智子「明るい農村!いい名前の焼酎!テンション高くなれそう!」






飲む飲まないに関わらずテンションの高い智子






常連客からのオムライスのオーダー






ママ「オムライス頼まれるんだけどめんどくさいからチキンライス出して誤魔化すのよ」






あえて卵でくるまず、誤魔化しきれない代替え案









智子「あなたの焼酎も作ってあげるわよ!」




私「光栄です。山口智子にお酒を作っていただけるなんて」





智子「あんたバカにしてんの?」






余計なひと言のせいで





水割りとオーダーした焼酎は




なみなみとほぼ原酒を注がれる








散々暴れまわった智子は次の店があるから






という理由で小一時間で退店






このカオスからなんとか脱出を試みようとしていた中岡は





「とりあえず一旦…帰ろう」





私が吐しゃ物を外でぶちまけている間に会計が終了







外へ出るとそこはまたいつも変わらない瀟洒な街、北参道







何か夢でも見ていたような気分





ネオ西川先生のメールによると





その晩はやはり朝の4時まで飲んでいたとのこと







きっと智子は



今宵も何処かで焼酎を飲みながら






どこかのスナックでエキサイトしているに違いない





しかしあの智子が来てから


確かに店の雰囲気はがらりと変わり





常連に限らず、その日は客足がいつもより多かったとのこと











商売の神、仙台四朗の末裔か?







恐るべし智子







次回決戦の地は向ヶ丘遊園の某スナックと




ネオ西川先生からお誘いを頂く












勧誘は一切なく、


変な勘ぐりをし大変失礼いたしました。






またぜひご一緒させてください









向ヶ丘遊園レポートも近日上梓させて頂きます。